社内懇親会の乾杯というと、社長や役員がステージに立って挨拶を行い、参加者全員でグラスを掲げる進行が一般的です。もちろん、その形にも分かりやすさがありますが、せっかく社員が一堂に集まる社内イベントであれば、乾杯そのものを参加者同士のコミュニケーションにつなげる方法も考えられます。
その一つが、背負いビールサーバーを使った乾杯演出です。
背負いビールサーバーの魅力は、単に会場内を移動しながらビールを提供できることだけではありません。誰がサーバーを背負うのかによって、演出の意味を変えられることが大きな特徴です。
例えば、社長が背負えば、経営層から社員へ直接感謝を伝える時間になります。部長が背負えば、普段あまり話す機会のない部署との交流を生み出せます。表彰式後であれば、受賞者が仲間へビールを届けることで、自分が称えられるだけではなく、周囲へ感謝を返す時間として演出することもできます。
つまり、背負いビールサーバーを企画するときに大切なのは、「誰に背負ってもらうと盛り上がるか」だけを考えることではありません。そのイベントでは誰にスポットを当てたいのか、誰から誰へ感謝を届けたいのかを考えることで、単なる余興ではなく、そのイベントならではの乾杯演出になります。
この記事では、社内懇親会や表彰式、周年イベント、キックオフなどで活用できる、背負いビールサーバーを使った乾杯演出について、幹事・部長・受賞者・新入社員など、それぞれの立場ごとに実施方法を整理します。
1.乾杯演出は「誰を主役にするか」から考える
乾杯を盛り上げようとすると、映像を流す、照明を入れる、BGMを変える、特殊効果を入れるといった演出方法から考えがちです。
こうした演出ももちろん有効ですが、社内イベントでは、それ以前に「誰が乾杯を届けるのか」を考えるだけでも、企画の印象を大きく変えることができます。
例えば、全社総会後の懇親会であれば、社長や経営陣が社員のテーブルを回ることで、普段は接点の少ない経営層と社員の距離を縮めることができます。一方、表彰式後の懇親会では、受賞者自身がサーバーを背負って仲間のもとへ行くことで、表彰式で受け取った称賛を周囲へ返す流れをつくることができます。
乾杯は、懇親会の開始を知らせる合図として扱われることが多いのですが、イベント全体の空気を切り替える役割もあります。式典では少し緊張感があった会場が、乾杯をきっかけに会話の場へ変わる。その切り替えの中心に、その日のイベントで意味のある人物を置くことで、乾杯自体にストーリーを持たせることができます。
2.部長が背負う場合は、部署を越えた交流をつくる
社長以外で背負いビールサーバーとの相性が良いのが、部長や事業責任者です。
特に複数部署が集まる全社懇親会やキックオフ、組織変更後のイベントでは、「他部署と交流してほしい」という目的が設定されることがあります。しかし、自由歓談の時間を用意しただけでは、多くの参加者は普段から話している同僚や同じ部署の社員と集まりやすく、部署を越えた交流が自然に生まれるとは限りません。
そこで、部長自身が背負いビールサーバーを持って、あえて自部署以外のテーブルを回ります。
例えば営業部長が管理部門や開発部門のテーブルを訪れ、「いつも営業を支えてくれてありがとうございます」「今日は楽しんでいますか」といった短い言葉を添えてビールを注ぎます。通常の業務中であれば少し堅くなりそうな会話でも、懇親会でビールを注ぐという行動が間に入ることで、自然に話しかけやすくなります。
ただし、一つのテーブルで仕事の話を長く続けてしまうと、演出全体のテンポが崩れてしまいます。背負いビールサーバーを使う時間は、深い対話を行う時間ではなく、その後の自由歓談につながる最初のきっかけとして考える方が運営しやすくなります。
3.幹事が背負う場合は、準備する側から参加する側へ切り替える
社内イベントでは、幹事だけが最後まで運営側に残り続けるケースが少なくありません。
参加者が乾杯して料理や会話を楽しんでいる間も、幹事は受付対応、司会進行の確認、映像や音響のチェック、景品準備、次のプログラムの確認などに追われています。その結果、イベントが無事に終わってから振り返ると、「自分たちはほとんど参加できなかった」ということもあります。
そこで、懇親会の途中で幹事自身が背負いビールサーバーを担当する時間を設ける方法があります。
例えばMCから、「ここからは今日のイベントを準備してくれた幹事メンバーにも登場してもらいます」と紹介し、幹事が社員のテーブルを回ります。幹事から参加者へ「今日は来てくれてありがとうございます」と声を掛けると、逆に参加者から「準備ありがとう」「お疲れさま」といった言葉が返ってくることもあります。
この時間を成立させるためには、幹事を本当に運営業務から外すことが必要です。幹事がビールサーバーを背負っている最中も、次の進行確認や音響対応を担当していては、結局楽しむことができません。その時間だけは別のスタッフへ役割を引き継ぎ、幹事自身もイベント参加者として会場に入れる状態をつくります。
イベントを支えてきた人が最後まで裏方のまま終わらないという考え方は、社内イベントならではの演出として使いやすい方法です。
4.受賞者が背負う場合は、称賛を感謝へつなげる
表彰式後の懇親会であれば、受賞者に背負いビールサーバーを担当してもらう方法があります。
一般的な表彰式では、受賞者が名前を呼ばれ、ステージへ上がり、トロフィーや賞状を受け取り、コメントを述べます。この時間は基本的に、周囲から受賞者へ拍手や称賛を届ける時間です。
その後の懇親会では、この流れを反対にします。
受賞者自身が社員のテーブルを回り、「この賞はチームのみんなのおかげです」「今日は一緒に乾杯しましょう」と言いながらビールを注いでいきます。そうすることで、「おめでとう」と言われていた人が、今度は周囲へ「ありがとう」を伝える立場になります。
個人表彰であっても、成果の背景には上司、同僚、部下、他部署など多くの協力があります。受賞者が仲間へ一杯を届ける演出を加えることで、表彰が個人だけのものではなく、チーム全体の称賛として会場へ広がっていきます。
受賞者が複数いる場合は、一人ですべてを回る必要はありません。新人賞、MVP、プロジェクト賞など、それぞれの受賞者が担当エリアを分けたり、順番に交代したりする方法も考えられます。
5.新入社員が参加する場合は、自己紹介のきっかけにする
入社式後の懇親会や内定者イベントでは、新入社員や内定者を乾杯演出に参加させる方法もあります。
ただし、新入社員だからという理由だけで無理にサーバーを背負わせる必要はありません。背負いビールサーバーには一定の重量があるため、本人の体格や体調、機材仕様を確認したうえで役割を決めます。
例えば、先輩社員と新入社員を二人一組にして会場を回る形であれば、新入社員自身がサーバーを背負わなくても企画として成立します。先輩社員がサーバーを担当し、新入社員がカップを渡したり、「4月から営業部に配属になりました○○です」と自己紹介したりします。
新入社員にとって、懇親会で多くの先輩社員へ自分から話しかけるのは意外と難しいものです。しかし、「乾杯を届ける」という明確な役割があれば、会話を始める理由ができます。
歓迎される側だった新入社員が、自分から社員のもとへ行くことで、自然に顔と名前を覚えてもらう機会になります。
6.大人数なら「乾杯リレー」として見せる
参加人数が100名、200名と増えてくると、一人の担当者がすべてのテーブルを回るのは難しくなります。
その場合は、複数人でサーバーを交代する「乾杯リレー」として演出すると、運営面でも企画面でも成立しやすくなります。
例えば最初は社長が登場し、数テーブルを回ったところで部長へ交代します。その後は受賞者、最後は幹事へとサーバーをつないでいきます。交代時にMCが次の担当者を紹介したり、BGMを切り替えたりすることで、単なる機材の受け渡しではなく、イベントの一つのプログラムとして見せることができます。
また、会社のテーマに合わせて、部署ごと、世代ごと、拠点ごとに担当者を変える方法もあります。
例えば「若手からベテランへ」「東京本社から大阪支社へ」といった形で役割をつなげれば、背負いビールサーバーを通じて、イベントで伝えたいテーマそのものを表現することもできます。
7.背負う人以外にも役割をつくる
乾杯演出を考えると、どうしてもサーバーを背負っている人だけに注目しがちですが、役割を分けることで、より多くの社員を企画に参加させることができます。
例えば一つのチームを、サーバーを背負う人、カップを用意する人、参加者へ声を掛ける人、写真を撮る人に分けます。
そうすれば、重量のある機材を背負うことが難しい社員でも、無理なく企画へ参加できます。また、一人ですべての役割を担当するよりも、提供スピードが上がり、参加者との会話もしやすくなります。
背負いビールサーバーの企画で重要なのは、何人が機材を背負ったかではありません。普段あまり話していない社員同士の間に、どれだけ新しい接点をつくれたかという点で考えます。
8.当日の進行は「登場・移動・交代・終了」まで決める
企画内容が決まったら、当日のオペレーションに落とし込みます。
まず決めたいのが登場のタイミングです。懇親会のスタートを印象的にしたい場合は乾杯直後、表彰式とのつながりを持たせたい場合は受賞者発表後、幹事を主役にしたい場合は懇親会中盤や後半など、企画の目的によって適した時間は変わります。
次に、会場内の移動ルートを決めます。
どの入口から登場し、どのテーブルから回り、どこで次の担当者へ交代し、最後にどこでサーバーを外すのかまで、会場図面上に記載しておきます。参加人数が多い場合ほど、その場の判断に任せず、事前に基本ルートを決めておくことが重要です。
また、背負う本人のほかに補助スタッフも配置します。補助スタッフは、カップの補充、残量確認、移動ルートの案内、次の担当者への交代指示などを行います。背負う本人には、ビールを注ぐことと参加者との会話に集中してもらう方が、自然な交流が生まれます。
さらに、終了時間もあらかじめ設定します。盛り上がるほど一つのテーブルで会話が長くなりやすいため、「10分程度で交代する」「1テーブルは1~2分程度」といった目安を決め、補助スタッフから終了の合図を出せるようにしておきます。
9.アルコールを飲まない参加者も同じ企画に参加できるようにする
企業イベントでビールを扱う場合は、アルコールを飲む人だけを中心に企画を考えないことも大切です。
参加者の中には、お酒を飲まない人、体質的に飲めない人、車を運転する人、その日は飲みたくない人など、さまざまな人がいます。
そのため、背負いビールサーバーと一緒にノンアルコール飲料やソフトドリンクを提供するスタッフを配置しておく方法があります。
重要なのは、「ビールを飲めない人はこちら」という分け方ではなく、最初から全員が自由に飲み物を選べる状態にすることです。
MCからも、「ビールのほかにノンアルコール、ソフトドリンクもご用意していますので、お好きな飲み物で乾杯してください」と案内しておけば、参加者が気を遣うことなく企画へ参加できます。
10.幹事が事前に確認したいチェックリスト
背負いビールサーバーを使った乾杯演出を検討するときは、最初に「誰を主役にするか」と「なぜその人が担当するのか」を決めます。
そのうえで、本人が企画内容に納得しているか、無理なく参加できるか、一人あたり何分程度担当するのかを確認します。
当日の運営については、登場時間、移動ルート、交代場所、終了場所、補助スタッフ、カップ担当、撮影担当、ノンアルコール対応まで整理します。
また、会場側には、飲食物や機材の持ち込み可否、搬入経路、テーブル間の通路幅、段差、サービススタッフの動線、サーバーを装着・取り外しする場所などを確認します。
乾杯演出は数分のプログラムであっても、会場内を人と機材が移動するため、進行表だけではなく会場図面にも内容を反映しておくと、当日のスタッフ間で認識を揃えやすくなります。
11.どんな社内イベントで使えるのか
背負いビールサーバーを使った乾杯演出は、通常の社内懇親会だけでなく、さまざまな企業イベントで活用できます。
全社総会後の懇親会であれば、社長や役員が社員へ感謝を届ける演出として使えます。キックオフでは、事業部長やリーダーが新しい期のスタートを社員と一緒に祝う時間にできます。
表彰式では、受賞者が仲間へ感謝を返す演出として使えますし、周年イベントであれば、社長だけでなく永年勤続者や周年プロジェクトのメンバーを主役にしてもよいでしょう。
内定者懇親会や入社式後の交流会では、先輩社員と新入社員が一緒に会場を回ることで、顔と名前を覚えてもらうきっかけになります。
同じ背負いビールサーバーでも、イベントの目的と担当者を変えることで、まったく違う意味を持たせることができます。
12.よくある質問
Q.背負いビールサーバーは社長が担当しないと盛り上がりませんか?
社長である必要はありません。部長、幹事、受賞者、先輩社員など、そのイベントで意味のある人が担当することで企画として成立します。大切なのは、役職の高さではなく、「なぜその人が乾杯を届けるのか」が参加者に伝わることです。
Q.複数人で交代して使用できますか?
参加人数が多い場合は、複数人で担当を交代する方法が向いています。一人あたりの負担を抑えられるだけでなく、交代自体を乾杯リレーとして演出することもできます。
Q.表彰式でも使えますか?
表彰式そのものよりも、表彰式終了後の懇親会で使うと自然です。受賞者が仲間へ一杯を届けることで、表彰から懇親へ流れをつなぐことができます。
Q.ビールを飲まない社員がいても実施できますか?
問題ありません。ノンアルコールやソフトドリンクを同じタイミングで用意し、参加者自身が飲み物を選べる運営にします。
Q.大人数の懇親会でもできますか?
実施できますが、参加人数が増えるほど一人ですべてのテーブルを回ることは難しくなります。複数名で担当エリアを分けたり、乾杯リレーとして交代したりする方法が現実的です。
まとめ|乾杯を「その日の主役」と参加者がつながる時間にする
背負いビールサーバーというと、社長が背負って登場する演出をイメージする方が多いかもしれません。
もちろん、それも分かりやすく盛り上がる使い方です。
ただ、社内イベントには毎回異なる主役がいます。イベントを準備してきた幹事、チームをまとめる部長、成果を称えられた受賞者、新しく会社へ加わった社員、長年会社を支えてきた社員など、その日のイベントだからこそスポットを当てたい人がいます。
その人自身が参加者のところへ行き、一杯を届けながら「ありがとう」「おめでとう」「これからよろしく」と声を掛けることで、乾杯は単なる懇親会のスタートではなく、社員同士のコミュニケーションをつくる時間になります。
GROWSでは、社内懇親会をただ食事やお酒を楽しむ場ではなく、普段の業務では生まれにくい会話や交流を生み出す機会として考えています。
背負いビールサーバーを検討するときも、「誰に背負ってもらうと面白いか」だけではなく、そのイベントで誰と誰をつなぎたいのかから考えてみると、企画の意味がより明確になります。
背負いビールサーバーのサービス内容や料金、導入方法については「カンパイポーター」で詳しく紹介しています。会場、参加人数、開催時間が決まっている場合は、必要な機材や提供方法、当日の運営まで含めてGROWSへご相談いただけます。

